※本稿は、田中渓『億までの人 億からの人 ゴールドマン・サックス勤続17年の投資家が明かす「兆人」のマインド』(徳間書店)の一部を再編集したものです。
24時間の使い方を「見える化」する
仕事やそのほかのことに追われる毎日を送っている人は少なくありません。「もっと自分の時間がほしい」と思うなら、なぜ今時間がないかを考えないことにはわかりません。立ち止まってまずは今自分がどんなふうに時間を使っているのか、24時間の使い方を棚卸し「見える化」しましょう。
具体的には、毎日24時間の時間の使い方を1週間分すべて書き出してみます。
次に、「削れない時間」と「削れる時間」に分類し、毎日24時間を見渡せるようにします。睡眠は絶対に「削れない時間」としましょう。他の時間や健康に悪影響を及ぼすため。仕事は自動化や時短術的なものを身につけて削ることも検討すべきものの、ひとまず「削れない時間」カテゴリーで、削れる時間とはSNSを眺めたりゲームをしたりする時間になるでしょうか。
すると、「本当はやりたいのに時間がとれなくてやっていないこと」も明確になります。そうなったら、削れる時間を削ってそこに「本当はやりたいのに時間がとれなくてやっていないこと」を置き換えていきます。
「ながら」で別のこともできないかを考える
このとき意識すべきは2つです。ひとつは「削れない時間」に「ながら」でできないか考えること。削れない家事をしながら、英会話のポッドキャストを聴けないか、ランニングをしながら1日のニュースをラジオで聴けないか、といったやり方です。
もうひとつは「削れる時間」を迎えてしまった際、トリガーとして反射的に置き換える方法です。「今、漫画アプリ開こうとしちゃったから、ビジネス書を電子書籍で読もう」「愚痴ばかりの飲みの誘いに惰性で参加の返信をしてしまいそうになったので、断ってジムに行こう」、といった感じです。
後者については、マイナスがゼロになるだけでなく、ゼロからプラスになる2倍おいしい感覚になり、頑張った分だけ他者よりも大きな差がついた、得した、と思えることから、それをやり遂げたときの自己肯定感、満足感が強く、癖になります。