発達障害を持つ親の虐待には特徴がある

そう考えると、拙著『子どもをうまく愛せない親たち 発達障害のある親の子育て支援の現場から』のテーマともなっている発達障害がある親の虐待というのは、わざわざ「発達障害のある」と断り書きをしなくてもいいのではないかと思われる人もいるかもしれない。

確かに、発達障害があるから、それが直接に虐待に結びつくというわけではない。しかし、筆者がなぜそこに関心を向けたかと言うと、一般の親(ここでは発達障害のない定型発達の親という意味で使用する)の虐待と発達障害の親の虐待とを比較すると、そこには虐待に至るメカニズムがずいぶんと異なっている点があったからである。

それゆえに、発達障害のある親に一般の親へのかかわりや支援と同じように虐待対応をしていたのでは、なかなか改善が図れないばかりか、逆に虐待の悪化を招いてしまうことさえあることに気づいた。