「所有しているもの」に続いて、「欲しいもの」の差を見てみよう。こちらの表がおもしろいのは、所有率と違って欲求率は全体の数値がグッと下がってくるだけではなく、所有率はいずれもマル金が高くてマル庶が低いという結果とは逆に、欲求率は何でもマル庶が高いのかと思いきや、年収500万~1000万円未満のマル中の欲求率が最も高いものがあるという点である。その特異な商品とは「太陽光発電システム」と「ホームベーカリー」である。
「太陽光発電システム」は全体の欲求率が12%止まりであるのに対し、マル中層になると15%で3ポイント近い差がある。子育て世代が多いと思われるマル中層の代替エネルギーへの関心度が伺える。
一方の「ホームベーカリー」については、I調査員はこう見る。
「節約、家志向、自分で作ることを楽しむ、という3つのトレンドが集約された商品がホームベーカリーなのかもしれませんね。価格も2万円を切るものが出てきており、買いやすさから普及していくのではないでしょうか。」
次回は所有度の差が大きかった「温水便座機能付便座」の普及の変遷と、最新商品の魅力を取材してみよう。
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※ビデオリサーチ社が約30年に渡って実施している、生活者の媒体接触状況や消費購買状況に関する調査「ACR」(http://www.videor.co.jp/solution/ad-plan/acr/index01.htm)や「MCR」の調査結果を元に同社と編集部が共同で分析。同調査は一般人の生活全般に関する様々な意識調査であり、調査対象者は約8700人、調査項目数は20000以上にも及ぶ。