再生可能エネルギーでは
原発の代替にはなりえない
先日、自民党の政務調査会に呼ばれて話をする機会があったが、彼らも原発再稼働問題を前に進めることの困難さをよく理解していた。原子力規制委員会における委員長の人事も、民主党政権における愚の骨頂もので、規制委員長に再稼働の判断を丸投げしている状態である。
規制委員長としては、100%自分の責任になるなら再稼働させたくない。活断層が見つかったら再稼働させない、すなわち自分で責任を取らなくていいために、皆で活断層探しに躍起になってしまった。自民党政権に替わり、「規制委員会の意見は尊重するが、最終的な再稼働の判断は政府がする」と言われ、多少リラックスしたものの、原子力規制委員会は怯えきっている。
自民党には原発再稼働に慎重な田中俊一委員長を降ろして別の人間を据えたいと考えているグループもいるが、私は「やめておいたほうがいい」と、釘を刺しておいた。そんなことをすれば自分たちが再稼働したいがために委員長を替えるのだと疑われるし、自民党が選んだ人間では、ほかの政党からの同意は得られない。
「それをやったら自民党はバッシングに遭う。今は目をつぶるしかない。その代わり、『責任は政府が取る』と言って規制委員会の緊張を解かないと前に進まない」とアドバイスしておいた。
自民党政権は、自分たちの責任でエネルギー問題、原発再稼働問題を前進させたいと思っているようだが、国民のコンセンサスをどう取るかということについては作業が進んでいないのが現状だ。前述の「遅くとも10年以内には将来にわたって、持続可能な『電源構成のベストミックス』を確立する」という政権公約についても原子力を抜きに実現することは、非常に困難である。