夫婦関係崩壊。不安と世間体から2年が経ち…
夫がリストラにあったのは上の娘が高校、下の息子が中学に入る直前。夫の仕事はなかなか見つからない上、「今まで俺が食わせてやってきたんだから、これからはお前が俺を食わせろ」と言うような封建的なタイプでした。
口答えして怒鳴られるのも嫌なので、働きに出ることにしました。仕事はヨガスタジオの運営スタッフ。やりがいはありましたが、先の見えない不安が続き、思春期の子どもたちの前で夫婦ゲンカをすることも増えました。
夫婦関係は壊れ、40代半ばで再就職した私にこれから何ができるだろう。不安と世間体を気にして現実を直視できないまま2年が過ぎ……「そろそろしっかりしてよ」と、体当たりで教えてくれたのが娘と息子でした。
1本の国際電話が…決意を固めた娘からの言葉
ある朝、海外に留学していた娘から国際電話がかかってきました。
「どうせママ、忙しくなってご飯も作らなくなってるやろ? 家だって散らかっているやろ? 家、絶対におかしくなってるやろ? もう、私たちのために! っていう生活はやめて‼ 離婚していいから‼」
この言葉でやっと決心し、夫に離婚を伝えることができました。離婚直後、「もう、家に友だち呼んでいい?」と息子が言い出しました。
かつては友だち同士のたまり場だったのに、家がすったもんだしてから、私は息子に友だちを家に呼ぶことを禁止したのです。家が散らかった様子は誰にも見られたくない。そうやって問題を先送りにしたことを激しく後悔しました。中3の部活最後の打ち上げはウチでやろう! と、これを機に片づけに取り掛かりました。
2年の間にたまった不用品や夫が残していったモノは、なんと2トントラック2台分。モノを家から出すと心がスッとしました。私に一番必要だったのは、本当は自分ってどうしたいの? と、自問自答しながら整理する時間だったのです。
片づけながら自問自答を繰り返すうちに「人生も子どもの学費も全部引き受けて生きていく」という覚悟ができました。