広いキッチンは歩数が増える
キッチンが広いと、仲間との距離も保たれますし、移動するとき仲間の動きを気にする必要も減ります。ただ、広いキッチンは、歩数が増えます。
たとえばキッチンで、サラダの盛り付けをしたとします。きれいに見えるように丁寧に飾れれば、価値を付加したこと、つまり「付加価値」が生まれたことになります。
ソテーをするためにフライパンで調理すれば、生の食材を加工していますし、上手に焼ければさらに価値が付加されます。しかし、何かを取りに行くために歩いても、何の価値も付加されません。これは1円にもならない、ムダな労働です。
時間当りの売上アップにつながる
また地方には、「段取り替え」という方法が浸透していない気がします。
段取り替えとは、時間帯によってキッチンのレイアウトを変更することです。
狭いキッチンの場合、トゥーオーダーの速度を高めようとすると、とにかく余分なものを目の前から除き、なるべく動かず単純作業を繰り返そうと考えます。逆に、仕込みのときは、やりやすいように機材や食材を並べて効率よくしたいと考えます。
そこで、仕込み時間には包丁、まな板、大きな機材を自分がやりやすいように移動して、トゥーオーダーが増える時間には、それらを除いてレイアウトを変更します。もちろん、トゥーオーダー用のレイアウトは、歩数が減るようにします。
こう考えると、台下冷蔵庫というのは、上下の動きですむようになっていますし、自分が調理しているとき目線より上にある食器棚も同じで、理にかなっているわけです。
この意識がつくと、トゥーオーダーの対応能力が高まる、つまり時間当りの売上を増やすことができます。
地方だと、「そんなに急がなくても」と思う社長も多いですが、ピークの対応能力が高まると、売上は自然に増えます。