きな粉の食べ方いろいろ

特筆すべきは先述した“きな粉”だろう。麦飯にまぶして食べたのち、残りを味噌汁に加えたりすることもあるという。貴重なタンパク源であるため、無駄にはできない。「水を足してペースト状にする者、お茶に入れて飲む者、飯を一生懸命スプーンでつぶし餅状にしておはぎを作る者とさまざま」だ。スプーンはプラスチック製である。

副菜はそれぞれ、刑務所の食事を知らない私たちが想像する量の、よくて半分程度ではないかということだ。それでたっぷりと分量のある麦飯をかき込む。

朝昼晩、総じて言えることのようだが、作られてから支給されるまでそれなりの時間が経過しているため、湯気の立つような味噌汁ではない。

それでも、「最も美味しく感じられるのが朝食です。そう感じている懲役は多いと思います」といった声もある。

(ライター=田内万里夫 写真=名和真紀子 料理=田内しょうこ)
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