壁内結露を防ぐための3つのポイント

では、壁内結露を防ぐためには、どうしたらいいのでしょうか?

第一に、十分な断熱性能を確保することです。できれば、「結露計算」を行い、結露が生じる可能性について計算を行うことが望まれます。「結露計算」とは、壁の構造(断熱材の厚みや熱伝導率、各材料の透湿率)や、室内外の温度・湿度等に基づいて、壁内結露が生じる可能性を計算するものです。

ただ、「結露計算」をきちんと行っている工務店はまだ少ないのが現状です。

高橋彰『「元気で賢い子どもが育つ」病気にならない家』(クローバー出版)
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第二に、壁の中に湿気をなるべく入れないことです。そのために、室内側に防湿気密シートを貼り、気密性能を確保すると同時に、湿気の侵入を防ぎます。

第三に、壁内に侵入した湿気を外に排出できるようにすることです。そのために、外壁材と断熱層の間に「通気層」という湿気の逃げ道を設けます。「通気層」は、長期優良住宅の認定を取る場合には、原則として必要になります。

このように、十分な断熱・気密性能を確保することが、壁内結露を防ぐためには、とても重要なのです。

現代の暮らし方を前提とするならば、中途半端な断熱・気密性能が日本の気候においては、住宅の耐久性にとってよくないことがご理解いただけたでしょうか?

男の子と添い寝しているチワワ
写真=iStock.com/kohei_hara
※写真はイメージです

家を建てる際は「気密測定しているか」を聞く

ただし、日本の住宅マーケットにおいて、気密性能確保に関する取り組みは、著しく遅れています。

それは、断熱性能の確保に比べて、気密性能の確保は、より高いノウハウが必要であること、そして手間暇がかかることが大きな要因です。そして、気密性能を表すC値は、現場の気密施工のレベルに依存するために、図面から計算することはできず、現地で「気密測定」を行うことが必要です。

現場で写真のような機械を使用し、気密測定を行います。かなり手間のかかる作業であり、気密測定を全棟で実施している住宅会社はかなり限られています。

【図表】気密測定風景
出典=サーモアドベンチャー

工務店・ハウスメーカー選びの際には、ぜひ、「気密測定を全棟で実施していますか?」と質問して、工務店・ハウスメーカー選びの選択基準にしてみてください。

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