重要なのは「知っているか」「知らないか」

考えてみてください。知名度が低いままで好感度を議論したところであまり意味はないですよね。限られた枠の少人数の間での好感度がいくら高くても、企業としての大きな成長にはつながりません。

それに知名度と好感度の二兎を追うと、かえって非効率になるものです。例えば、「知ってもらうだけでは意味がない。どうしたらその先の購入につながるかをよく考えてマーケティング施策を考えろ」と指示されても、現場は一体何から手を付ければいいのかわかりませんよね。

それよりも、「売れようが売れまいが、責任は私が持つ。好感度を上げようとか考えなくていい。シンプルに知られることだけに専念してくれ」と言われたほうが、部下も取り組みやすく、結果を出せるのではないでしょうか。

それこそKPI(重要業績評価指標)を認知度だけにしてしまってもいいと思います。その先の展開まで考えてマーケティング設計をしたら、頭が回らないはずです。

西村誠司『最強知名度のつくりかた 売り上げ98%減からのV字逆転を実現した必勝術』(KADOKAWA)
西村誠司『最強知名度のつくりかた 売り上げ98%減からのV字逆転を実現した必勝術』(KADOKAWA)

実際、広告代理店のテレビCM制作チームからも「通常、クライアントからはあれもこれも盛り込んでくれとよくお願いされるのですが、西村社長の場合は毎回『知られることだけでいい』という指示なのでとてもやりやすい」と言われています。

そもそも今の時代、精緻にマーケティング施策を組み立てている間に、状況が変化してしまうことも考えられます。だったら認知だけにフォーカスしてそこに迅速かつ全力で取り組むほうが、成果が出せると思います。多くの人に知ってもらえさえすれば、その先使える手法が格段に増えるからです。

事実、「イモトのWiFi」も、「にしたんクリニック」も認知だけに特化するやり方だったからこそ、知名度がここまで大きく向上し、その結果として、売上にもつながったとのだと思っています。

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