前立腺がんの発症リスクが低減される場合も
射精は、前立腺の健康維持に有効だともいわれています。ペニスに刺激があり、射精が近づくと、前立腺の血流が良くなります。射精の瞬間、ペニスや前立腺の血管は収縮と弛緩をくり返すのですが、それもいい運動になっているのです。射精の回数が多いほうが、前立腺がんの発症が少なかったという論文があります。
アメリカのハーバード大学が、米国の男性医療従事者約3万人を調査したところ、1カ月の射精回数が21回以上の男性は、4~7回の男性に比べて前立腺がんを発症する危険性が2割前後、低かったのです(※1)。
※1:Rider, J. R., Wilson, K. M., Sinnott, J. A., Kelly, R. S., Mucci, L. A., & Giovannucci, E. L. (2016). Ejaculation Frequency and Risk of Prostate Cancer: Updated Results with an Additional Decade of Follow-up. European urology, 70(6), 974~982.
脳や筋肉と同じで、体の部位は、使わないでいるとどんどん衰え、さまざまな不調を引き起こします。これを「廃用症候群」といいますが、ペニスも使わなければどんどん衰えます。
無理にする必要はありませんが、勉強や仕事がおろそかになったり、睡眠時間が減ってしまったりしない程度に、マスターベーションをするのは健康に寄与するということです。
ただし、注意してほしいことがあります。マスターベーションをするときは、あまり強くペニスを刺激してはいけません。過剰な刺激が習慣になると、女性の腟内で射精できなくなる恐れがあるからです。これについては『愛されるペニス サイズ神話のウソ・ホント』(径書房)の133ページで詳しくお話ししますので、気になる方は、ぜひお読みください。
7割近くがセックスに自信がない
さて、アンケートの結果についての話に戻りましょう。
次にした質問は、「セックスで相手を満足させている自信がありますか?」というものでした(図表3)。これについても「まったく自信がない」から「とても自信がある」までの5段階評価で、回答してもらっています。
この問いで、自信があると回答した人は約31%(45人)。
76%の人が「性欲が強め」と回答し、月の射精回数が平均24回である一方で(月5回以下の方は8%)、そこそこの人が約38%。自信がもてずにいる人が約31%。合計すると、69%もの人が、女性とするセックスに不安を抱えていたり、自信がもてずにいたりするようです。
「自信がある」と回答した男性は、比較的ペニス偏差値の高い人が多く、女性から「大きい」「太い」などと褒められた経験のある方が、45人のうち約58%(26人)。このなかには、ペニスの偏差値がさほど高くない人も含まれているので、女性の言葉で自信を与えられている男性もいるようです。
もっとも「太い・長い」と言って男性を喜ばせた女性が、その男性とのセックスで、本当に満足を得ていたかどうかは別問題。残念ながら、女性はセックスのこととなると、本当のことを言わない場合が多いからです。
次に、「『自信がない』と回答した方は、その理由を教えてください」という質問をして、自由記述で回答してもらったところ、回答は、ほぼ以下の4項目に分類できました。