ゆたぼん 中学生になっても僕のことを父親の言うとおりに動くロボットだという人がいたので、違うと宣言したかった。別に父親と仲が悪くなったとか反抗期とかじゃないですよ。父親は今でもボクシングの練習に付き合ってくれるし、何かとサポートをしてくれて心から感謝してるんですけど、自分の行動は自分で判断していると訴えたくて。

たかまつ 中学卒業時には公立高校の受験もされたんですよね。

ゆたぼん 不合格でしたけどね。ただその高校に合格した友達と自己採点で点数を比べたら、僕の方が倍近く点数を取っていたはずなんですよ。でも3年の1学期まで不登校だったので、内申書が良くなかったみたいです。

たかまつ 今年8月に高校卒業程度認定試験(高認)を受けることにしたのはそれが理由ですか?

ゆたぼん 公立高校の受験に失敗して、日本航空高等学校通信制課程メタバース工学科に入学はしたんですけど、前から高認の制度を知っていたので受けてみようと。

受験した「公共」「国語」「英語」「数学」「科学と人間生活」「地理」「歴史」「生物基礎」の8科目のうち、自己採点では英語以外の7科目は合格したはずです。英語はまったく勉強してこなかったので、英語以外の7科目は絶対に合格するって宣言しました。でも、英語は高校でイチからやり直しますよ。大学に進学するかどうかは別にして、高認は取るつもりです(取材後に7科目の合格が確定)。

「僕、6年生の時に髪の毛を染めて学校に行ったんですよ」

たかまつ ご自身の経験を踏まえて、国に変えてほしいと思う制度や、「このルールおかしいんじゃないかな」って感じていることって、何かありますか?

ゆたぼん そうですね、やっぱり学校の校則とかが浮かびますね。僕、6年生の時に髪の毛を染めて学校に行ったんですよ。そしたら先生とケンカになって「なんでダメなんですか?」って聞いたら、「いや、ルールだから」って言われたんですよ。「いやいや、なんでそのルールがあるんですか?」って聞いたんですけど、「ルールはルールだから」みたいに言われて。

 結局、髪は染め続けてたんで卒業式にも出られなくなっちゃって。高校でも、靴下は白じゃなきゃダメとか、髪型は女の子はポニーテールがダメとか、いろいろあるじゃないですか。そういうのも、なんかおかしいなって思いますよね。なんでそういうルールがあるのかちゃんと説明してくれれば納得できることもあると思うんですけど。

たかまつ ヨーロッパでは「学校内民主主義」という考え方が浸透していて、生徒自身が学校運営に関わるんです。例えば、校則を変えたいという声が上がると、生徒たちが話し合って決める。最終的な意思決定の会議には、校長先生や保護者だけでなく、生徒も一緒に参加して議論に加わります。

ゆたぼん それは本当にいいと思います。変化を恐れず楽しむことが大事だと思うので、いろいろなことに挑戦して、どんどん試していけばいいんじゃないかなと思います。