政治家の不祥事が相次いでいる。2ちゃんねる創設者のひろゆきさんは「いまの日本政治は無知なタレント議員や、汚いことをやって有名になろうとしている人たちにハックされている。選挙でまともな政治家が選ばれないのであれば、別の方法で自分の身を守る方法を考えたほうがいい」という――。(第3回)

※本稿は、ひろゆき『日本人でいるリスク』(マガジンハウス)の一部を再編集したものです。

日本の旗と、投票箱に投票する人の手
写真=iStock.com/twinsterphoto
※写真はイメージです

「国民が政治家を選ぶ」のは当たり前ではなかった

民主主義が根づいた先進諸国では、選挙で国民が政治家を選ぶのが当たり前になっています。しかし、昔はそうではありませんでした。

たとえばヨーロッパでは、長きにわたって大衆は「偉い人に従っていれば幸せだ」というスタンスでおり、その偉い人とは宗教的指導者でした。宗教と政治が分かれたのは、ここ100年くらいのことなのです。また、中国では今でも、中国共産党による一党独裁政権が続いています。

今後はさらに独裁色を強めていくとみられ、台湾をも支配下に置こうと圧力をかけるようになってきています。僕は諸外国の反発があるため、実行に踏み切らないとみていますが、中国が台湾への軍事侵攻をする「台湾有事」のリスクが高まっていると警鐘を鳴らす専門家もいます。

こうした流れを踏まえると、民主主義というのはどこまでちゃんと機能しうるのかという疑問も生まれます。もちろん、現在の中国が正しいなどと言うつもりはありませんが、もしかしたら、「個人がものを判断できる」というのは誤解で、その誤解に基づいて「民主主義が正しい」とみんなが思い込んでいるだけではないでしょうか。

日本人にとっても、自分たちで判断していく民主主義より、「殿を支えるのが私たちの使命だ」と従っていた頃の状態のほうが、実は人間として心地よかったかもしれません。