取引当日、突然、場所を変更するというトリック

「A社からB社、B社からC社という二つの取引なので、はじめは同じ銀行の支店内で2つの部屋を借り、そこで作業する手はずでした。まず北田たちから指定されたのがY銀行の町田支店です。うちの会社と東亜エージェンシー、それに西方さん、それぞれの司法書士が立ち会ってY銀行町田支店で契約を交わし、その場で代金を支払う段取りだった」

津波がそう振り返った。

「ところが取引当日になって、とつぜん話が変わったのです。東亜・北田側が、『西方さんが、Y銀行の町田支店では家から遠いので困ると言っています』と取引場所の変更を求めてきたのです。彼らはすでにその変更先を決めていた。『東急線沿線にあるM銀行の学芸大学駅前支店に西方さんを呼んでいるから、そちら側の司法書士などを向かわせてほしい』と要求するのです。地主さんの希望なので、断われませんでした」