反対意見の人を納得させるには「具体例」を記入
小論文では「意見」を書く必要があると説明してきました。じつは、自分の「意見」を「主張」と言うのです。
小論文の中心は「主張」と「根拠」ですが、これらを示すだけでは「反対意見」の人は納得してくれません。客観的な裏づけがないからです。
そこで、「具体例」が必要となります。「具体例」にはいくつかの書き方があります。小論文で最も多く使われるのが、「事実」「データ」を用いる方法です。
主張:私は、地域コミュニティの活動が市民の健康によい影響を与えると考える。
根拠:なぜなら、コミュニティ活動に参加することで社会的なつながりが生まれ、精神的な健康が向上するからである。
具体例:たとえば、アメリカ心理学会の報告によると、社会的な支援はストレスを軽減し、うつ病のリスクを低下させると判明している。
「アメリカ心理学会」がストレス研究で有名だというのは、心理学に興味がある人にはよく知られていることです。もし何かを参照しながら書くことが許される状況であれば、「具体例」として「事実」「データ」を入念に調べましょう。
データがない場合は「体験」も使える
一方で、「具体例」を挙げる場合に、「事実」「データ」が思い浮かばないこともありえます。その際には、「体験」を「具体例」として書くとよいでしょう。「体験」には、なるべく多くの読み手から共感が得られそうな出来事を選んでください。
主張:私は、地域コミュニティの活動が市民の健康によい影響を与えると考える。
根拠:なぜなら、コミュニティ活動に参加することで社会的なつながりが生まれ、精神的な健康が向上するからである。
具体例:たとえば、私が地域の清掃活動に参加した時には、近隣住民との交流が増え、以前感じていた孤独感が大幅に減少した。
「体験」として書く出来事は、自分の実体験以外にも、他人から聞いた話や、本の中に書かれていた話でもかまいません。