談志の真骨頂、裏切り芸

落語には必ず導入の「枕」がある。小噺から始め、頃合いのところでサッと羽織を脱いだら本編に入るという、古来の様式美だ。

ところが晩年の談志さんときたら、どうだったか。たとえば、あるとき伺った高座は、一言一句覚えているわけではないが、概ね、こんな具合だった。