また、通常モデルルームのある場所は建設予定地から離れている。立地条件を見るには、時間や曜日を替えて何度か現地を訪ねるほか、最寄り駅から歩いてみて、所要時間や通勤路の様子を確かめておくとよい。

立地の中では「用途地域」も重要である。用途地域には住居専用地域、商業地域、準工業地域などの区分がある。今は静かな環境でも、商業地域や準工業地域であれば、将来近隣にコンビニや工場が建つ可能性があり、人の流れや静けさに影響が出るかもしれない。

見落としがちなのが、「以前そこに何が建っていたか」である。もし化学工場だったとしても、ちゃんとした不動産会社であれば「以前は化学工場でしたが、土壌改良も済ませているので大丈夫です」と答えるはず。逆に言葉を濁すようなら要注意だ。

 

営業マンへの必須の質問は
「このマンションのデメリットは何ですか?」

ところで入居後の快適さを左右するのは、建物や立地というハード面だけではない。マンションの管理規約も住み心地に大いに関わってくる。とくにペットの飼育や建物の修繕積立金に関する項目は必ず目を通しておこう。修繕積立金は高いと入居希望者に敬遠されるが、安くても将来必要な修繕費が確保できないので、30年以上の長期修繕計画に基づいた金額になっているかを見ておくこと。計画と月々の金額の関係など、不明な点があれば不動産会社に尋ねてみるとよい。

なお、マンションに地権者がいる場合は、管理規約に地権者を優先する条項が含まれていることがある。例えば、駐車場の利用で地権者が優先される旨の規約があり、ほかの人がなかなか利用できないといったケースも実際に存在する。マンションの販売戸数が総戸数より少ない場合は、その差にあたる戸数分を地権者が所有しているということなので、注意が必要だ。

管理規約に限らず、マンションに関することで何か疑問が生じたら、臆せずにどんどん不動産会社に尋ねてみることだ。そこで必ず実行してほしいのが、「このマンションのデメリットは何か」という点を聞いてみることである。検討中のマンションがほかにもあるなら、その名前を挙げて「あのマンションはどうか」と併せて聞いてみるとよいだろう。

答えにくい質問だが、力量のある営業マンなら上手に返答してくるはず。その答えによって、マンションの性質も明らかになるし、販売会社の姿勢もわかるというものだ。

ライバル会社のマンションについても、あからさまに悪く言うのではなく、客観的に答えることができたなら信用してもよいだろう。