立憲・野田代表は首相時にオウンゴールで安倍自民党に大敗

案の定、野田民主党は大敗。せめて議席減を最小限にする努力をするかと思いきや、自分を裏切った小沢一郎派の選挙区に刺客を送り共倒れの山。安倍長期政権の礎を築いてあげた。

現在でもかたくなに減税には反対。何より、日本の歴史を否定する女系天皇推進の頭目だ。などなど、罵倒し出したらキリがないが、自民党を批判する前に野党第一党の惨状に関しては一言述べておく。

戦後政治において、自民党総裁とは総理大臣のことだった。衆議院選挙をやれば(平成になってから例外も2回ほどあったが)、必ず自民党が勝つ。だから衆議院の首班指名では、必ず自民党総裁が勝つ。結果、自民党総裁選こそが、総理大臣を決める選挙となった。

そして自民党総裁すなわち総理大臣になりたければ、子分の国会議員の数を増やすのが手っ取り早い。だから派閥が形成される。

自民党政治とは、派閥政治なのだ。

だから、派閥解消など、ありえない。歴史をひも解けば、「派閥解消」を言い出した時こそ、真の派閥抗争が激化する。「総理大臣=自民党総裁」「自民党総裁選=派閥政治」の法則が崩れない限り、派閥がなくなる訳がない。政治改革とは派閥政治の改称なのだから、できる訳がない。

ただ、変質したのは確かだ。

2007年11月8日、来日した米合衆国国防長官のロバート・ゲーツと握手する石破茂防衛大臣(当時)
2007年11月8日、来日した米合衆国国防長官のロバート・ゲーツと握手する石破茂防衛大臣(当時)(写真=Cherie A. Thurlby/PD US Military/Wikimedia Commons

今回の総裁選は「読めない」というが、これまでが異常だった

さて、今回の自民党総裁選は「読めない」と言われたものだ。確かにその通りだが、今までの総裁選が読みやすすぎたのだ。

一番読みやすかったのが、「三角大福中」の時代。三木武夫・田中角栄・大平正芳・福田赳夫・中曽根康弘の5人の派閥の領袖が合従連衡を繰り返し、順番は角・三・福・大・中だったが、全員が総理総裁となった。この時代の派閥は鉄の規律。派閥の領袖が誰に投票すると決めたら鉄の規律。落ちこぼれがほとんど出ない。中曽根派で6人が造反したのが最大ではなかろうか。

つまり、引き算がほとんどなく、足し算だけで良かった。そのうち、田中角栄や竹下登が「闇将軍」と言われる権力を握り、竹下派支配が終焉しゅうえんしてからも、ほとんどの総裁選で「勝ち馬に乗れ」と雪崩現象が起きるのが常だった。

まだ記憶に新しいのが、菅義偉内閣だ。菅官房長官(当時)が総裁選に立候補した時、対抗馬の岸田文雄・石破茂以外の全派閥が、無派閥を標榜する菅長官に投票した。