コツを押さえればどれだけでも読める
相談者の方は、せっかく本を読むことにトライしたのですから、ぜひ継続されてください。コツを押さえて慣れていけば、どれだけでも読めるようになります。
上司の方は、頭を抱えられたとのことですが、冒頭でも述べた通り、相談者の方はよい本の選び方をされました。
読むスキルは4つのステージに分かれる
読むスキルに関する以下の分類を見てみましょう。
ステージ4
どんな本でも日常的にすばやく読める
ステージ3
新聞記事、雑誌記事が読める
気が向いたときには、簡単な本が読める
ステージ2
短い文が読める(スマートフォンの画面、Eメールなど)
ステージ1
文字が読める
「読むスキル4つのステージ」
松崎久純『大学生のための速読法 読むことのつらさから解放される』(慶應義塾大学出版会)より
これは、私たちの読むスキルを4つのステージに分類したものです。
ステージ1は、文章ではなく、文字を認識できるかどうか。ステージ2は、短い文章、特定の人との通信文などは読める段階です。
相談者の方は、これまでステージ2におられましたが、今回ステージ3の本を1冊読まれたことになります。
ステージ3のものは苦手とのことでしたが、ステージ3のものを読めるようになるには、ステージ2のものをいくら読んでいてもダメで、ステージ3のものにトライして慣れていかなくてはなりません。
今回、ご自身にとって「読みやすいもの」「興味のあるもの」を選んだのは正しい選択です。
私たちは、「読んだ」「読破した」という経験を重ねることで、上達していきます。ここで関心の持てない本を選ぶとイヤになりますから、読みたくない本を手に取ることはお勧めしません。
少なくとも、読みやすいものを読みつけて、少し難しいものにチャレンジしてもいいと思うようになるまでは、ムリをすべきではありません。