英語でも日本語のようにコミュニケーションをとるにはどうしたらいいのか。ユー・イングリッシュ代表の中山裕木子さんは「単なる yes か no ではなく、解像度の高い英単語を会話の中に散りばめると、相手がリラックスして会話を楽しんでくれる」という――。

※本稿は、中山裕木子『伝えたいことが口からスッと出てくる 英単語言いかえドリル Word Switch』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

コーヒーカップを片手に会話する二人のビジネスマン
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動詞の選び方ひとつで表現が自由に

動詞の選択によって英文の構造が決まり、動作の種類や正式・略式の声のトーンも同時に定まりますので、動詞の選択は重要です。

例えば、「私は英語を教える仕事をしています」と言う際に、I am a teacher of English.よりもI teach English.と表現できるように練習します。後者では、名詞teacherを使った場合に必要になる冠詞aや前置詞 ofを使わなくて済むので簡単に表現できます。

そのような選択ができれば、ゆくゆくはI teach English at a private language school.「民間の語学学校で教えている」やI’ve been teaching English for 10 years.「10年間教えてきた」などと、自在に情報を足したり、時制を選択したりすることが平易になります。

そこで、“他のものに動作を働きかける”他動詞を活かして英文を組み立てる練習をしてみましょう。like, love, enjoyで自分の趣味を伝えることから開始し、move, amaze といった“誰か(何か)が何かをする”ことを表します。英語では無生物を主語にすることが多いため、例えば「素晴らしい作品の数々に心動かされました」に他動詞 move「心動かす」を使います。

また、”それ単体で行える動作を表す”自動詞も使えるように練習します。見たまま何かを描写する、例えば“変化”を表す change, increase,decrease などです。他動詞に比べて自動詞は数が少ないですが、適所で活用できれば受動態を避けられるので便利です。

聞き取れなくても落ち込まない

数名で英語で話していたとき、「I often cannot tell how to pronounce a word from its spelling.(英語の発音はスペルからわからなくて困ることがよくある)」と私が言うと、英語ネイティブの方が「I know. English pronunciation is arbitrary.」と一言。

「そのarbitraryを私たち日本人が聞き取れると思ってるの?」と突っ込みを入れたくなりました。筆者自身は、たまたま技術系の英語を仕事で扱っていますので、arbitrary「任意の」という英単語をよく知っていました。

例えばプログラミングの話題で「任意長の文字列」は、an arbitrary-length character stringと表現できます。「任意」には「でたらめな」という意味もあるので、arbitraryの他にはrandomもよく使うことがあります。そのようなわけで、相手がarbitraryを使ったときに聞き取れましたが、この単語を知らなくて聞き取れない人も多いのではないかと感じました。

このように、英語ネイティブが私たち日本人をはじめとした非ネイティブと話すとき、「英単語を相手が知らないかもしれない」といった配慮を感じることがあまりありません。配慮が足りないというよりは、相手がどの単語を知っていて、どの単語を知らないかの見当がつかないことが多いように思います。

そのため、英語ネイティブ話者と話すときの心構えとして、聞き取れなくても落ち込まないこと。また、聞き取れなかったことに気づいたら、聞き返してみることです。そうして1つ1つ、使えるボキャブラリーを増やしていきましょう。