ボードゲームも計算、計算、計算

家庭での計算に関する会話が「ゲーム感覚」に満ちているだけでなく、家族で遊ぶ実際の「ゲーム」でも算数に関するものが人気だ。たとえば「スクラブル算数ゲーム」。「スクラブル」とは英語圏で非常に人気のあるボードゲームで、ボード上に置かれたアルファベットの駒に、各プレーヤーが順繰りに手持ちの駒をくっつけて単語をつくり、各自の得点を競う。長い単語ができたり、英単語ではあまり使用されないアルファベット(たとえば「Q」や「Z」)の駒を用いてつくれたりすると得点が高くなる仕組み。縦と横の両方向に並べられるので、ゲームが進むとちょうど完成したクロスワードパズルのように見える。

「スクラブル算数ゲーム」はこの数式バージョン。「0」から「9」までの数字と「+」「-」「×」「÷」の四則演算の駒を用いて、単語の代わりに縦方向か横方向に数式をつくっていくのだ。これも英単語版の「スクラブル」と同様、長く複雑な数式をつくったほうが高得点となる。手持ちの駒だけでつくればいいわけではなく、必ずボード上にある駒と組み合わせなければいけないし、他のプレーヤーがつくった数式によって置ける駒も変わってくる。刻一刻と変わる状況に合わせて、常に暗算し続ける。これが非常に人気で、どの玩具店でも品切れだ。

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「算数は好き?」と聞くと「イエース!」。

もう一つの人気ボードゲームは「マス・マジック」。ボード上に置かれたカードに、手持ちのカードをつなぎ合わせる。1枚のカードは辺ごとに最大4色に分かれていて、同じ色同士しかつなぎ合わせることはできない。黄色同士は足し算、青は引き算、緑はかけ算、赤は割り算。最低1辺は合わせなければならないが、2辺、3辺と色が合えばその合計が点数として加算される(色が合わない辺はカードを置けない)。各プレーヤーが交互にカードを置き、制限時間内で最も多くの点数を得た人が勝ちだ。どのカードをどこに置くか、暗算を何度も何度も繰り返すゲームだ。

ゆとり教育の弊害により、試験的に参加したPISAでは散々な結果だったインド。だが、自主的にインド式算数を教え続ける先生たちがいて、家庭では楽しい暗算トレーニングが日常的に行われている。こういった強固な土台があるかぎり、この国は今後も世界のIT業界を席巻し続けていくはずだ。