任せるときは具体的に

仕事を誰かに依頼する場合、依頼の仕方を工夫する必要があります。あいまいに依頼すると、期待していたものと違う成果物になる可能性があります。

飯田剛弘さんは、『仕事は「段取りとスケジュール」で9割決まる!』(明日香出版社)で次のように指摘しています。

「依頼した仕事がうまくいかないと、(略)もっともらしい言い訳や相手に非があることを強調し、誤魔化します。

これは、ハッキリ言ってしまえば、依頼者の力不足です。何を具体的に求めているのか、いつまでに完成させるのかを明確にし、依頼することが重要です」

◆人に仕事を依頼するときのポイント

●具体的に依頼する
「何を」「どこまで」「いつまでに(締め切り)」「どんな形でほしいのか(完成のイメージ)」を明確に伝える。

●早めに依頼する
相手の作業時間が取れるように早めに依頼する。

●口頭では伝えない
相手が真剣に聞いていない場合もある。

●謙虚に依頼する
相手が抱えている仕事量などを見極めた上で、謙虚な気持ちで依頼する。

●相手のスキルを見極めた上で依頼する
スキル不足の場合、期待通りの成果物が上がってこない場合も。

● 進捗を確認する
頼みっぱなしではなく、途中で定期的に進捗状況を確認する。

● 感謝を伝える
依頼した仕事が終わったら、お礼を伝える。

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写真=iStock.com/Diy13
※写真はイメージです

人に任せることは悪いことではない

人に任せることは大切です。

しかし、実際は自分で仕事を抱え込んでいる人が少なくありません。

「イギリスのある大学の調査によれば、事務系の職場の上司は、本来なら部下でもできる仕事の41%を自分で抱え込んでしまっているそうです」(石川和男『仕事が速い人は、「これ」しかやらない』/PHP研究所)

なかには人に何かを頼むのが苦手な人もいます。

「やりたくないことを相手に押し付けているようで気が引ける」
「自分でやったほうが早い」
「自分のほうがうまくできる」

と、人に任せずに、自分でやってしまう人もいます。

しかし、人に任せないことで相手の成長の機会を取り上げている可能性もあります。また、何もかも自分でやってしまうことで、時間を奪われ、効率が低下する場合もあります。人に任せるのは悪いことではないのです。