都市部からの移住も増えた

地方にとっては希望とも言える動きもある。今、地方の県庁所在地のマンションは、都市部からの移住も増えている。

例えば長野市では、首都圏から移住するニーズも踏まえ、販売価格1億円超のマンションやタワマンなど、100戸以上の大規模マンションの開発が相次いでいる。

LIFULL HOME'S総研副所長の中山登志朗さんは言う。

「コロナ以降、都市部の近郊県だけでなく、もっと外側に住み替えるニーズも高くなりました。テレワークが広がり、都市部の会社に勤めながら、地方の中心地のマンションに移り住むケースも珍しくなくなってきました」

不透明な時代だからこそ「どう生きたいのか」

住まいの選び方は時代とともに変化する。いま、終身雇用制が崩れ、働き方も多様化し、生き方や価値観も多様化している。そして、住宅価格は高騰を続けている。大きな買い物であるだけに、解はひとつではなく、人それぞれの価値観や考えがあらわれる。

ファイナンシャルプランナーの有田美津子さんは言う。

「先行きが不透明な時代にあって、例えば35年先が見えづらく、計画を立てづらいのは当たり前。住宅の購入を考える機会に人生のお金も棚卸しして整理し、自分がどう生きていきたいのか、この先どんなことにお金を使っていきたいのかを考えてみてはどうでしょうか」

(ライター・松岡かすみ)

当記事は「AERA dot.」からの転載記事です。AERA dot.は『AERA』『週刊朝日』に掲載された話題を、分かりやすくまとめた記事をメインコンテンツにしています。元記事はこちら
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