2000円の自己負担で食品や家電が手に入る

いまだに誤解している人がいるので断っておくが、「ふるさと」といってもあなたの出身地である必要はない。全国どこでも自由に寄付できる(複数個所の寄付も可)。

ということは返礼品も自由に選び放題だ。全国の自治体(およそ1785団体)がそれぞれ自慢の品を取りそろえている。米や肉や魚といった食品のみならず、家電や家具やパソコン、さらに旅館の宿泊券もある。まさに選り取り見取り。なんでもある。

ふるさと納税のやり方はシンプルだ。「さとふる」「ふるなび」「ふるさとチョイス」といった仲介サイトで返礼品を選んでポチるだけ。その際、税金の控除申請が必要だが、それも仲介サイトで簡単にできる。申請手続きが終われば、あとは自動的にあなたの住民税から控除されることになる(※3)

※3 ふるさと納税において確定申告なしで控除が受けられるこの仕組み(ふるさと納税ワンストップ特例制度)は、会社員(給与所得者)が対象。もともと確定申告をするのが前提となっている個人事業主は、確定申告により控除・還付される。

10万円のふるさと納税をしたなら(10万円の返礼品を選んだら)、9万8000円が控除されるわけだ(10万円のうち2000円は自己負担)。

ふるさと納税のページ
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

節税効果を実感するまでにラグがある

ふるさと納税に面倒な作業はいらない。ただし留意点が2つある。ひとつは、実費で立て替えておく必要があること。たとえば10万円のふるさと納税をする場合(10万円の返礼品を選ぶ場合)、まずその10万円を実際に支払わなくてはならない。そして会社員であれば、支払ったのちの翌年6月から1年間、12回(12カ月)に分けて計9万8000円が住民税から控除されるという段取りである(※4)。つまり、節税効果を得るまでにタイムラグがある。

※4 確定申告のない会社員の場合は、9万8000円の全額が住民税から控除される。一方、個人事業主の場合は、確定申告から1~2カ月後に所得税の還付を受け、その確定申告後の6月から住民税の控除を受ける。その還付と控除の総額が9万8000円となる。

もうひとつの留意点は、ふるさと納税の控除額には上限があること。無限に控除されるわけではない(上限を超えた分は自己負担)。年間の控除上限額は年収や家族構成で異なる。これも仲介サイトのシミュレーターですぐわかるので確認しておこう。

いずれにしろ、ふるさと納税でやるべきことはわずかだ。上限額を把握し、寄付先(返礼品)を決め、控除申請をする。それだけだ。あとは返礼品が届くのを待てばいい。

ふるさと納税は税金弱者にとってなにより手厚い制度なのだ。