否定したくなったら「それもいいね」と言ってみる
子どもと会話していて、子どもの言葉を否定したくなってしまったとき、いったいなんと言えばよいのでしょう。そんなときは、次のような言葉が使えます。
「それもいいかもね」
「それは新しいね」
「なんとなくわかった(半分くらいわかった)」
「それ、何か理由があるんでしょ」
「なんか面白いね、それ」
自分には理解できなくても、「そういう考えを持っているんだね」ということをとりあえず認めることを優先させてみてください。たとえば、子どもがどこかからか見たこともない木の実のようなものを拾ってきて、それを水につけて冷凍庫で冷やしていたら……。
常識的には「いったい何やってんの? 気持ち悪いから捨てて」などと言ってしまう方もいるかもしれません。でも、そこで、
そんな反応をすると、子どももテンションが上がるのではないでしょうか。否定をせずに、こんな言葉で返し、子どもが飽きた頃に「これ、そろそろ捨てる?」と聞くと、穏やかにことが進むわけです。
わが子を本当に“信じる”ことが一番重要である
「○○ちゃんなら大丈夫」
「信じているよ」
このような言葉は、子どもに行動をさせるだけでなく、自己肯定感を高めることができる言い回しです。こんな声かけをして、子どもが実際に一人でできたら、それが自信になって、次からは何も言わなくても自分からやるようになります。
私たち大人も同じですが、誰かがあなたのことを「あなた以上に」信じてくれたとしたら、「なんかできるような気がする」と自信が湧いてきたりしませんか?
何より大事なのは、子どもに対して信じると伝えて本当に信じることです。子どもの言うことだから信じないではなく、我が子の言うことは親として全面的に信じてあげるのです。
「周りから否定されたとしても、親だけが信じてくれた」その体験が、子どもに根拠なき自信をつけさせるのです。
私の尊敬するコーチング業界のレジェンド、安海将広コーチは「クライアントに根拠のない自信を持たせることがプロのコーチの仕事」と公言しています。
口先だけの「信じる」は、子どももすぐに見抜きます。子どもでなくても部下や誰かに言う「信じる」は、その後の言動も大切です。信じると言ったのに、本当は信じていなかった。これが一番相手を傷つけます。
そして、本当に信じたとき、相手ができなかったとしても、それを許したり、認めたりすることが大切です。嘘をついたり、騙そうとしたりしたときは叱る必要がありますが、ただ「できなかった」という結果に対しては、寛容に受け止めるようにしましょう。
親が信じてあげられなくて誰が信じるのでしょうか。誰もが自分のことを信じられる強い心を持っているわけではありません。親が信じてくれるという安心感が、子どもの心を強く育てていくのです。