全国どこに行っても、地元の住民の人たちと積極的に関わる

【ポイント④】「地域コミュニティ」に積極的に参加して味方になってもらう

日本の島には、ほぼ例外なく、結束の固い「地域コミュニティ」があります。

現在は、どこの島でも少子高齢化が進んでいますから、島外からの移住者を積極的にコミュニティに受け入れて、島の将来を一緒に考える活動が活発化しています。

できるだけ人と関わらずに生活をしたい……という思いで島暮らしを選択した人にとっては苦痛と感じるかもしれませんが、僕は自分から島の人たちの輪の中に飛び込んで、地元の祭りや食事会に参加したり、商工会や青年会の集まりにも顔を出すなど、できるだけコミュニケーションの機会を作ることを意識しています。

僕の場合は、島に限らず、全国どこに行っても、地元の住民の人たちと積極的に関わることを大事にしていますが、その理由は、地域コミュニティに溶け込むことによって、さまざまな恩恵が生まれることを体験として知っているからです。

・暮らしやすい環境を整えることができる
・困ったことがあれば、相談に乗ってもらえる
・地域の現状や問題点、課題を知ることができる
・地域の今後を考えるヒントが得られる

地域コミュニティというのは、こちら側の向き合う姿勢によって、敵にもなれば、味方にもなります。

その存在を疎ましく思って、一定の距離を置こうとすると、「噂話に尾ヒレがついて、あることないことを拡散されてしまう」などと感じて疑心暗鬼になり、周囲の人から監視されているような不安な気持ちになります。

その一方で、自分から積極的に輪の中に飛び込んでいけば、親身になって相談に乗ってくれたり、貴重なアドバイスが得られることもあります。

ローカル・ルールを乗り越えるための4つのフロー

島には「余所者」に家を売らない文化がある……とお伝えしましたが、僕は地域コミュニティのおかげで、このローカル・ルールを何度も乗り越えて、島の家を手に入れています。

その際のフロー(流れ)は、次のようになります。

【ステップ①】不動産会社の紹介で島の山を手に入れる

家と違って、山の売買はローカル・ルールに縛られることがありません。

先に山を入手することで、「島に物件を持っている人」という立場を手に入れることが第一段階となります。

【ステップ②】地域コミュニティの仲間に入れてもらう

「この島で山を持っているんですが、どう活用すればいいと思いますか?」など、山の活用法を地元の人たちに相談して、一緒に考えてもらいます。

【ステップ③】「売ってくれそうな家を知りませんか?」と相談する

何度も顔を合わせて、お互いのことが少しずつ理解できるようになったら、「この島に家が欲しいんですが、売ってくれそうな物件を知りませんか?」と率直に聞いて、島の人たちに意見を求めます。

【ステップ④】家の候補が見つかったら、売り主を紹介してもらう

「誰かが家を売りたがっている」という話があったら、売り主の紹介をお願いして、直接、相手に話を聞きに行き、お互いの利害関係が一致したら、その場で売買交渉に入ることになります。

永野彰一『一生お金に困らない島投資の始め方』(クロスメディア・パブリッシング)
永野彰一『一生お金に困らない島投資の始め方』(クロスメディア・パブリッシング)

要点だけをまとめると、ビジネスライクで打算的に感じると思いますが、僕はハッキリと自分の目的を地域コミュニティの人たちに伝えて、相手をだますようなウソやブラフ(ハッタリや虚勢)は慎むことを自分に課しています。

僕が全国各地で山投資や家投資をやっていることを伝えると、面白がってくれて、「タダ同然の山なら、この島にもいっぱいあるよ」と新たな情報を提供してくれることもあります。

僕は私利私欲のためではなく、みんなで幸せになることが一番の目的ですから、その思いが地域コミュニティの人たちに伝わると、「永野さんに売ってあげなよ」とか、「もう少し値段を下げてあげて」などと救いの手を差し伸べてくれたりします。

こちらが心を開いて飛び込めば、島のコミュニティの人たちは、頼もしい援軍になってくれる……と考えています。

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