――叱るとか、部下を育てるといった姿勢に関してはどうでしょうか?

【メーカー】基本、女性は叱られませんね。なあなあで。そこもまた問題なんですけれど。駄目なところはちゃんと言ってくれないと、伸びないこともあるから。

【商社】25歳ぐらいの女性が異動してきたとき、本部長に相談されましたね。「この『小娘』どうしようか」って。上は腫れものに触るようにしていました。

相手が女性に限らずだけど、そもそも叱る上司っていなくなったね。叱らない、管理もしない、部下も育てない。むしろ「なめられてる」くらいの感じ。飲みに誘われると、「この人、家庭に居場所がなくて、帰りたくないんだろうな」って気の毒になっちゃう。

【メーカー】そうそう。平気で僕らを待ってたりするんだよね。あっちの仕事が終わってるのに30分ぐらい待たせてると、まあ行ってあげないと可哀そうかなって。

【銀行】でも酔って昔の「武勇伝」は勘弁してほしいよ。バブル時代に社有車に女乗せてドライブとか、何十人も囲っていたとか。出張先ごとに愛人が3人とか。

【証券】それって、かなり誇張していませんか? 出張先のスナックのママにちょっと親切にされたぐらいでは?(笑)。

【商社】自慢話は女系と、あとはお金ですね。税金対策で経費が月100万で、使い切らないと怒られたとか。

【メーカー】内定を山のようにもらって断ったら、コーヒーかけられたとか。昭和くさい! 昭和の匂いがプンプンするよ。

【銀行】僕らより下の世代になると、もうそんな話、聞いてもくれないでしょうね。

でも自分よりも下の世代がまともに育ってないのには、かなり危機感を感じています。僕らの世代は不況でろくに人を採用してないから、支店ですぐ下の世代となるともう20代。基本的なリテールや融資のことを学ばないまま目先の仕事だけこなしてきてる。仕事が増えてるのに残業は減らす方向だし、数字は出さなきゃいけないし、自分の時間削っても部下を育てようという上司はいないよね。でも、何も教えないで「こんなこともできないのか」と言われても若手も困るよ。

【メーカー】うちの部長は営業として優秀なことは確か。でも、だから下も「できて当たり前」と思ってる。できない部下の気持ちが理解できないから下は育たない。管理職としては本当にダメダメです。