日曜日の昼間から仕事を考えて憂鬱に

クライエントBさんは、30代の真面目な女性でした。この方も産業医面談に初めて来た時にはすでに深刻な症状がいくつもあり、休職を勧める状態でした。

聞いてみると、職場に苦手な人はおらず、仕事は好きで頑張ってきた。今までは土曜日は休息日としてマッサージやネイルサロン、美容院とのんびり自宅周辺で過ごし、日曜日は遠出したり運動したりとアクティブに過ごしていた。

半年ほど前から仕事が忙しくなり、残業が増えて平日の帰宅時間が遅くなったため、3カ月前から日曜日の遊びをやめ、週末を2日間とも休息して翌週に備えるように過ごすようにしてきた。しかし、だんだん日曜日の夜から翌週の仕事のことを考え、気分が塞ぐようになってきた自分に気がついた。日曜日夜の憂鬱はお昼頃から感じるようになっていった。休息を取っているのにおかしいと思ったが、どうしようもなく、どんどん調子が悪くなってしまったとのことでした。

私の経験上、どんなに平日忙しく働いていても、週末に数時間でも遊びに行ったり人と会ったりできている人は、それが気分転換となり、気持ち新たに翌週からまた元気に働くことができることが多いです。

一方、週末の2日間とも休息することを意識しすぎて何も予定を入れないと、身体は休まったとしても気分転換は難しく、金曜日と同じ気持ちで翌週を迎えることになります。この生活が2~3カ月続いてメンタルヘルス不調になる人をたくさん見てきました。

疲れてソファで寝ている女性
写真=iStock.com/tdub303
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仕事にストレスを感じていなくてもオフの時間は必要

仕事や職場をストレスと感じるかどうかは、人それぞれだと思います。

ストレスと感じる人には、週末に積極的にオフの時間、気分転換が必要なのは、誰でもご理解いただけると思います。しかし、仕事や職場にストレスを感じていない人にとっても、オフの時間は必要です。仕事はプライベートな時間と比べれば、多少の緊張がある時間です。緊張したとき、自律神経は交感神経が亢進し、筋肉は緊張、身体は多少なりともこわばります。この緊張を上手に和らげてあげないと、私たちの身体は疲労が溜まり電池切れとなり、蓄積した疲労も相まって精神的にも活発でいられなくなってしまいます。そのような状態では、仕事や職場にストレスを感じていなくても、月曜日を新たにやる気に満ちて迎えられるはずはありません。

A君は、前職時代にはあった週末の友人や同僚たちとの社外での関わり合いが、緊張を和らげ疲労から回復する時間になっていたのでしょう。そのことに気がつき、また、自分の性格をよく理解し、会社の趣味サークルに加入したことは、さすがと思います。今後は、元気にやっていけるものと思います。