【亀田】そういえば、稼ぐ人のお財布って、その人のトータルイメージにピシャッとはまっている場合が多いんです。

【内藤】それって大切だと思うなぁ。お財布も、お金の使い方も、食生活も、すべてバランスです。

【亀田】お金で悩んでいる人は多いと思いますが、内藤さんのおっしゃるバランス感覚とは?

【内藤】バランスって、現状認識から生まれるものだと思うんです。お金をたくさん欲しいと言う人は多いですが、何億も稼ごうと思うと体を壊したり、家庭を壊したりして、要するにバランスを崩してしまう。

だから、「お金持ちになりたい」ではなくて、「幸せになるためにはいくら必要で、いまいくら不足している」という現状をまずは認識するべきだと思う。3000万円あれば幸せになるなら、闇雲に働くのではなく、3000万円を手に入れる方法を具体的に考えればいいんです。ダイエットも同じでしょう。まずは何キロ痩せるべきかという現状認識から始めるべき……。

【亀田】なのに、体重計には乗りたくない。

【内藤】そう。不都合な真実が見えてしまいますからね。まずは、不都合な真実と向き合うことが必要なのです。そのうえで、適切な努力をすればいい。お金に限らず、人生はすべてバランスが大切だと僕は思いますね。

※すべて雑誌掲載当時

内藤 忍 
1964年、東京都生まれ。86年、東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入行。91年、MITスローン・スクール・オブ・マネジメントでMBA取得。シュローダー投信投資顧問株式会社、マネックス証券を経て、05~11年代表取締役社長。近著『こんな時代を生き抜くためのウラ「お金学」講義』など著書多数。

資金繰り改善コンサルタント兼税理士、ブリンク・リンク・パートナーズ代表取締役 
亀田潤一郎 

1967年、神奈川県生まれ。大学卒業後、税理士事務所、経営コンサルティング会社を経て2003年5月に税理士開業。数字に苦手意識を抱く中小企業経営者向けに独自の通帳活用法を開発、「資金繰り改善コンサルタント」として活躍中。著書に『通帳は4つに分けなさい』『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』がある。
(山田清機=構成 牧田健太郎=撮影)
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