「よくニュースになるのが、依頼客からの預かり金の使い込み。バレたら即死(除名処分)です。事務所の経費に困っているからか、年配の先生に多い」(中堅)
業界全体がそんなジリ貧状態だから、ルーキーもつらい。司法試験合格者がここ数年、毎年約2000人。弁護士志望者1600~1700人中、400人以上が“就職浪人”だという。
「日弁連は、登録した者の動向しか把握できない。登録していない連中が何をしているのかは不明」(同)
弁護士業界では、車内広告やCMを出すにはまだまだ抵抗がある。ネット広告で取れる客は、「多重債務、離婚相談、交通事故の3つだけ」(同)。口コミやリピーター以外の客をつかむ場といえば、弁護士が主催する一般人相手の「法律相談」だが、今は客足が激減している。
「弁護士会のすぐ近くで、法テラス(日本司法支援センター)が無料で法律相談をやっている。そりゃ、タダのほうに流れますよね」(若手)
法テラスは、国が運営する相談窓口。一般人には有り難いが、相談相手である弁護士の報酬は7万~10万円と一律に低く抑えられている。
「でも、仕方なく仕事を貰っていますよ。法務省の管轄である法テラスの“犬”と化してます」(同)
貧すれば何とやら、在野精神どころではない現状をどう打開する?
※すべて雑誌掲載当時
(PANA=写真)