がん保障で保険金をもらえる確率は55歳で0.69%

これらの理由が重なった結果、銀行は低金利でも充実した団信を提供できているというわけです。

団信がどれぐらいお得かを別の切り口からも説明します。図表2の通り、がんの罹患率は55歳では0.69%で、それ以降は急上昇します。その一方で、がんと診断されたら住宅ローンが0円になるがん団信の金利はそれを大きく下回ります。

「なぜがんの罹患率と住宅ローン金利を比較するの?」と疑問に思われたかもしれませんが、次のように置き換えて考えると理解しやすくなります。

・がんの罹患率=保険金がもらえる確率
・住宅ローンの金利=保障をキープするために支払うコスト

たとえば55歳で2000万円の住宅ローンの残債があった場合、がんになって住宅ローンがチャラになる期待値(=もらえる保険金の期待値)は2000万円×0.69%=13.8万円。一方、がん団信をつけた住宅ローン金利(=支払う保険料)は、ネット銀行の標準的な水準である0.5%とすると10万円。つまり、図表3の通り、もらえる保険金の期待値が、その保障をキープするためのコストを上回っているのです。