ベビーシッター、民泊、村人の悩み相談まで

アイスキャンディー店を営んでいた数年間は、ほとんど寝ずに働いていたと思います。

いろいろな仕事をしていく中で、いつも私が意識していたことがあります。

それは、人から「やってみないか」と言われたことは絶対に断らず、なんでも引き受けてみる、というものです。

「アメリカ兵さんの子どものベビーシッターをしないか」「修学旅行生を受け入れる民泊をしてみないか」「ホテルのレストランで働いてみないか」「畑の作物を道の駅に卸さないか」……こんな相談もしょっちゅうでした。

それに加えて、村の婦人会や老人会の運営、防火クラブの設立、小学校で沖縄の文化や方言を教えるボランティア、村人の悩み相談、民生委員といった村の行事関連のことも「やってみないか」と言われれば、なんでも引き受けてきました。

テレビや映画で「沖縄のおばー役として出演してくれないか」という頼まれごとがあり、出させてもらったことも何度かあります。

それ以来、奥間にテレビや新聞の取材が来るときは、いつも私が駆り出されております。

「あなたならできそうだ」と思ってくれるなら、やりたい

あれやこれやと、沖縄ローカルのテレビコマーシャルにも出てしまいました。

サイバー犯罪から人々を守る「さいばぁおばぁ」という役どころです。うれしいような恥ずかしいような……でございます。

「私でよければ、なんでもやるよ」という姿勢でいると、自然と仕事が舞い込んでくるのです。そうしてがむしゃらに働き続けていたら、息子5人分の学費もなんとか工面することができたというわけです。

そしてそのすべてが、やってみると不思議ととても楽しいのです。きっと人に「やってみないか」と言われることは、少なからず自分に向いていることなのでしょう。

誰かが自分のことを見ていてくれて「あなたならできそうだ」と思っていてくれたということ。だから「やってみないか」と声をかけられたら、なんでもありがたくやってみます。そうして、知らず知らずのうちに自分の世界が広がっていくのかもしれません。

私が暮らす奥間は人口が少なく、便利なお店もあまりありません。ですから昔から助け合いがとっても大事でした。

村人同士、毎日声をかけ合い、ご馳走は分け合う。

金銭に困っている人がいたらみんなでお金を出し合って助け、子どもや老人は村総出で面倒を見るのが当たり前。