視野に有効なトレーニング
お答えしましょう:「見る」という行為は、目と脳の共同作業です。脳を鍛えて見やすくするトレーニングを紹介します。
「見る」という行為は、最終的には目ではなく、脳がおこないます。目から入ってくる情報を、脳がうまく処理することで、私たちは「見る」ことができるのです。
ここでは、有効視野を広げる「脳知覚トレーニング」をご紹介します。図表4の中心にある「ココを見る」を見つめたまま、周囲にある2つの円、それぞれの円上にならぶマークのうち、ひとつだけ違うマークがあることをパッと認識できるかを毎日確認しましょう。この一瞬で認識するトレーニングを続けることで、みなさんの有効視野を広げることができます。
有効視野とは、上下に各20°、左右に各30°の範囲で、人がいる、物がある、また変化などをなんとなく把握できる実用度の高い視野をいいます。一度失った視野は戻りませんが、有効視野は訓練によって拡大できることが医学的研究によってわかっています。視野は変わらないけれども今ある視野をうまく使えるというイメージです。視野の真ん中を見つめたまま周囲の情報を認識することを分散的集中といいますが、この能力を鍛えることで、段差をよけたり、車の運転中に飛び出してきた人を避けるなど、不測の事態への反応が早くなります。また、認知症になるリスクを29%も抑えられるという報告もあります。
分散と集中は、一見矛盾しているようですが、簡単にいえば「●●しながら▲▲する」ということです。もともと人間には不得意なことですが、訓練によって上手にできるようになります。
疲れ目用の目薬をさしてもいいのか
緑内障の目薬を点眼し続けると、どうしても目の表面が荒れやすくなります。そのため、市販されている疲れ目用の目薬を併用したいという患者さんは、多くいらっしゃいます。併用に関しては主治医との相談が必要ですが、使えることが多いです。その場合に関して以下のルールをお勧めします。まず、市販の目薬は、なるべく防腐剤を含まないものを選んでください。また、点眼する順番は、市販の目薬→緑内障の目薬とし、緑内障の目薬の流出を防ぐようにしてください。
ポイント:目薬の併用ルール
①市販薬は防腐剤を含まない目薬を選ぶ
②市販の目薬→緑内障の目薬の順にさす
※閉塞隅角緑内障の場合は、急性緑内障を引き起こす可能性があるネオスチグミンメチル硫酸塩を含まない目薬を選ぶ必要があるため、主治医に相談を