電話をすると遠隔操作ソフトをインストールさせられる
では、警告に従い電話をすると何が起きるのでしょうか。マイクロソフトのスタッフなど、それっぽい肩書を名乗る人物が出てきます。「パソコンを確認する」などと説明し、遠隔操作ソフトをインストールさせられます。相手はカタコトの日本語だったりするので、コミュニケーションが取りづらいまま、あれよあれよと誘導されてしまいます。
こちらもJC3が、実際に詐欺サイトにだまされてみたとの動画を公開しているので、見れば、よりリアルに理解できるでしょう。
最終的にはサポート料金を請求されます。ここで2022年10月頃から見られるようになったのが、冒頭で紹介したようなインターネットバンキングを悪用した手口です。
そのほか「Google Playカード」「iTunesカード」といったギフトカードや、マルチメディア端末を操作するタイプのプリペイド型電子マネーで支払いを求められるケースも依然多く見られます。「コンビニに行け」と言われたら、あやしいと思った方がいいでしょう。
犯人がつけ込んでいるのは「ネットへの不安」
サポート詐欺は、どんな人がだまされているのでしょうか。パソコンをよく使う人だと思うかもしれません。ですが、実際のところ相談事例の53%が70歳以上です。
60~79歳の人のうち8割を超える人がインターネットに不安を感じているとの統計もあります(総務省「令和4年通信利用動向調査の結果」2023年5月29日)。結局のところ、元からある不安につけ込んでいるのです。
パソコンに詳しくない人ほど、「ハッキングされている」「クレジットカード情報が漏えいしている」などと言われれば焦ってしまうでしょう。けれども、不安をあおるのは詐欺の常とう手段。冷静に対処してほしいのです。
支払ってしまった場合でも、相手がお金を引き出す前に対処すれば戻ってくることがあります。ですが、難しいケースも多いのです。警告画面が出たときには、家族や友人、消費者ホットライン「188(いやや!)」、警察相談専用電話「#9110」に相談するなどして落ち着いてください。画面に出ている電話番号を信用しないことが、なによりも大切です。