「次ページへ」を押しただけで表示される警告画面
偽の警告画面が出るきっかけは、アダルトサイトを見ていたら……ということもありますが、普通のサイトでも起き得ます。広告をクリックしただけで表示されることがあるからです。
このような不審な広告には、押したくなるような言葉が書いてあります。例えば「次ページへ」とのリンクに見せかけた広告がそれだったことがあります。また、年末には「2024 年賀状 無料 イラスト」とGoogle検索して出てきたサイトを開くと、イラストはなく「クリックしてご覧ください」との広告が置かれていたこともありました(情報処理推進機構(IPA)「サポート詐欺の偽セキュリティ警告はどんなときに出るのか?」2024年3月8日更新)。
広告だとは思わず押しているので、「普通に閲覧していただけなのに、突然警告画面が表示された」と感じてしまいます。クリックする前に見抜くのは難しいと思った方がいいでしょう。ですが、安心してください。身を守る方法はあります。それは、警告画面の“ある特徴”に気づくことです。
警告画面に電話番号があったら詐欺を疑え
どんな警告画面が現れるのかは、日本サイバー犯罪対策センター(JC3)が実際の画面をYouTubeで公開していますので、これがわかりやすいでしょう。
情報処理推進機構(IPA)も例を紹介しています。
不審な広告をクリックすると、まるでパソコンに重大なトラブルが起きたかのような画面が表示されます。Windowsが出しているかのようなデザインの警告画面が次々現れ、不安をあおる音声が流れてきます。「ウイルスに感染しています」「銀行情報が盗まれています」「ハッキングされています」といった物々しい内容です。
場合によっては大音量でピーと鳴る、×ボタンを押してもウインドーが閉じないといったことも起きます。突然こんな画面が出てきたら、ドキッとする人も少なくないでしょう。
そして「データを守るためパソコンをロックしました。すぐにサポートに連絡してください」などと誘導してきます。画面には電話番号があり、あたかもマイクロソフトのサポート窓口かのように表示されています。チャット画面が出ることもあります。ここに連絡してしまえば相手の思うツボです。そう、ここに“詐欺見破りポイント”があるのです。
警告画面が出た段階では、実はパソコンには何も起きていません。ブラウザーを閉じさえすれば元に戻ります。つまり犯人は電話をかけてもらわないと、お金をだまし取れないのです。
ですので警告画面が出ても、掲載されている連絡先に電話しないことが最も重要となります。マイクロソフト社は自社サイトで「マイクロソフトのエラーメッセージと警告メッセージに、電話番号が記載されることはありません。」と明言しています(マイクロソフト「マイクロソフトのサポートを装った詐欺にご注意ください」2021年1月29日)。連絡先があること自体があやしいのです。
なお、警告画面の消し方は情報処理推進機構(IPA)のサイトにある説明がわかりやすいでしょう(IPA「サポート詐欺で表示される偽のセキュリティ警告画面の閉じ方」2023年11月15日更新)。同法人が運営する「情報セキュリティ安心相談窓口」でも技術的な相談にのってくれます。