「80代の社長」がDXを妨げている

こうした高齢化の問題は企業の中でも起きています。

経団連に入っている企業の社長は70代や80代がざらにいます。たとえば80代の社長が現役で会社の中で強い権限を持っていたら、ITや仮想通貨、今で言えばDX(デジタルトランスフォーメーション)の技術などは理解できないでしょう。

その技術の価値や有望性が40代の人にわかったとしても、その40代が80代の社長を説得するのは容易なことではありません。

その意味では、いま東南アジアの経済が急激に伸びているのは、良い悪いは別として、この国の平均年齢が短いからということもいえます。

フィリピンで29歳、同様に、インドも平均年齢が28歳です。一方の日本は48歳ですから、平均年齢が20歳も違うのです(国連、ジェトロなどの資料から)。

いかに若い人に権限を与えるか

この場合、たとえばTikTokが面白いのでこれをビジネスにしようと言った場合、20代ならその面白さが理解できますが、50代の人がTikTokでバズらせるということはなかなかないと思います。

つまり新しい技術を開発していくためには、いかに若い人たちに権限を与えていくかということが重要なのですが、その点で企業の内部も高齢化している日本は、なかなか難しい立ち位置にいます。

キーボードでの入力場面
写真=iStock.com/Nattakorn Maneerat
いかに若い人に権限を与えるか(※写真はイメージです)