影山ヒロノブさんらが所属する日本の実力派アニソン歌手グループ「JAM Project」にただ一人、ブラジルで活動する「準メンバー」がいる。彼は一体何者なのか。サンパウロ在住フォトグラファー兼ライターの仁尾帯刀さんが取材した――。
ブラジルが誇るコンサートホールでアニソンを熱唱
世界各国における漫画・アニメなどの日本のサブカル人気はますます上昇中だ。それは日本の反対側に位置するブラジルでも例外ではない。
南米ブラジルのサンパウロ市にある「サーラ・サンパウロ」は、2015年に英ガーディアン紙によって世界のベスト10に選ばれたブラジルが誇るコンサートホールだ。このホールを拠点に活動する国内最高峰のサンパウロ州立交響楽団が今年4月、アニメソングを初めて演目に選んだ4夜連続の「アニメ・シンフォニー」を開催した。入場券は発売3日で早々に完売し、近年の日本アニメの人気の高さを証明した。
そのアニメ・シンフォニーでただ1人、交響楽団と合唱団をバックにゲストとしてソロボーカルを務めたのが、ブラジルで歌手として活躍するヒカルド・クルーズさん(42)だ。クルーズさんはブラジルのアニソン歌手としては無二のカリスマとして知られており、ブラジル国内外で日本の人気アニメの主題歌をポルトガル語ではもちろん、流暢な日本語でも歌っている。
アニソングループ「JAM Project」の準メンバー
また、ヒカルドさんは日本の人気アニソングループ「JAM Project」の準メンバーでもある。
JAM Projectは影山ヒロノブやきただにひろしが在籍するほか、2022年に他界したレジェンド水木一郎氏が設立時にリーダーを務めたことでも知られる実力派アニソングループだ。
コンサートでは先日訃報が伝えたれた鳥山明原作のアニメ『ドラゴンボールZ』の主題歌「CHA-LA HEAD-CHA-LA」や『聖闘士星矢』の「ペガサス幻想」などを熱唱した。
「2015年の横浜アリーナでのJAM Projectの15周年記念公演以来の緊張でした。普段は慣れ親しんだアニメイベントやキャパ200人ほどの小さなスペースで歌っていますからね」