面談していてびっくりするのは、年収1000万円くらいから2000万円くらいの、「中途半端(失礼)なお金持ち」の物欲の凄まじさである。車はベンツでなきゃ、バッグはエルメスかヴィトンと夫婦でブランド志向が強く、次から次へと欲しがる。

こういう人からよく聞かれるのは「これは私にとっては投資なんです!」という言葉である。

私は、基本的に3つのモノサシ「消費・浪費・投資」でお金の使い方を分けるが、その判断は、依頼者の皆さんの基準によってしてもらっている。しかしそうすると、私から見て首をかしげたくなるときもある。

交際費や教育費のすべてが投資、エステ代もネイルサロン代までも……。とはいえ、「それは浪費では?」と、私はあえて言わない。なぜなら自分で気づいてもらうことに期待しているからだ。

そういう怪しい「投資」にお金をかけすぎている人は、家計を整理しても思うように結果が出ない。そうなると、「原因は?」と自分で考えるようになっていくからだ。

2カ月、3カ月続けてもらううちに、「以前は『投資』と仕分けしていたエステ代ですが、妻の仕事はモデルでもないのにかけすぎでした」などといった価値観の変化が起きる。

そうなればしめたもの。自分軸が急速に形成され始めている証拠だからだ。