子育てをしながら仕事優先で働きたいなら

では、子どもを持ちながら仕事優先でキャリアを積みたい場合、どうすればいいのでしょうか。日本の場合、女性側にかなり大きな負担がのしかかります。

家事・育児負担が女性に偏り過ぎているからです。不公平に感じてしまうのは、ごもっともでしょう。ただ、ここでも一つ言いたいことがあります。

「それは、あなたの家のパートナーが、あまりにも理解が低いという、家庭内の問題ではありませんか?」

出生動向基本調査の既婚者編を見てみると、「6歳未満の子供がいる家庭」で「夫婦ともに正社員」のケースだと、夫(男性)の1日当たり家事育児時間の平均は114分になります。ほぼ2時間ですね。これが平均値なのです。そして、同じ条件で妻側から夫の家事・育児協力についての評価を聞いていますが、「毎日のように協力してくれている」「頻繁に協力してくれている」を併せると6割以上となっています(国の調査を参照しているため協力ではなく参画すべきということはここでは考えません)。

台所で料理をする男性と、ダイニングルームでゲームをする子供たち
写真=iStock.com/TATSUSHI TAKADA
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「私(妻)ばかりが家事育児をさせられていて……」というのは、昭和・平成前期までの話であり、令和の今は、夫が家事・育児をするのはごく当たり前のことなのです。それができていないということは、会社や社会よりも、あなたの家庭内に改善すべき点があるといえるでしょう。自分のキャリア、相手のキャリア、家事育児のことを納得いくまで話し合う必要があります。

子育ては外部の手に頼ってもいい

現在では待機児童も減って、保育園に入れる確率はずいぶん高くなりました。認可保育園でも、朝8時~夜8時まで子どもを預かってくれるところがほとんどです。そうすると、会社を出るのは夜7時でOK。つまり、毎日1~2時間程度は残業が可能なのです。

加えて、夜のお迎えを夫婦で分担し、たとえば週に3日が妻、2日が夫とした場合、夫が当番の週2日は、思いっきり残業して残務処理ができるでしょう。

「それでは息抜きができなくて心折れてしまう」という声が出そうですね。確かに私も編集長や事業部長をやりながら同じような生活をしている時は、つらかったのを覚えています。

そこで、週1日、お迎えをシッターさんにお願いし、そのシッターさんに、家事もしてもらったらどうでしょう。シーツや布団カバーの掛け替えなど、大仕事は彼女に任せましょう。

そうすると、夫婦ともにお迎えは週2日で、残り3日は自由に生活ができます。毎日7時まで働き、週に2日は残業、残りの1日は自由時間。この日は趣味や遊びで思いっきり息抜きできるでしょう。