20代のリーダーが活躍できるワケ

チーム全体で成果を上げるためには、メンバーが「頑張りさえすれば成果が出せる」仕組みを整えることが重要です。それがなければメンバーはやる気になりません。反対に、仕組みさえあれば、ほとんどの人は放っておいても頑張ってくれるものです。

リーダーの役割は「人の管理」ではなく「仕事の管理」です。マネジメントとは、人に働きかけることではありません。仕事の管理をやり尽くしたうえでなければ、人に対して働きかけをしても意味がないと思っています。

マネジメントとは何か?

歴史の古い企業の場合、長年の経験の中で仕事を管理する方法は固まっていますし、評価の指標も決まっている場合が多いでしょう。ビジネスモデルが大きく変わらなければ、仕事のやり方や仕組みを変える必要がありません。あとは「社員にやる気を出してもらう」くらいしか、差別化要素がありません。だから「人の管理」、つまり、人に働きかけをしようとするのです。

当社のようにベンチャー企業の場合は、そもそも仕事のやり方を変えていかなければいけません。人に働きかける前にやるべきことがたくさんあるのです。売れる商品をきっちりと定義し、その商品が売れるための仕組みを整え、どうすれば売れるのかを社員に教える。そこで売れなかったら初めて人に働きかけるのです。「仕事の管理」をせずに「人の管理」をしようとすれば、パワハラにもなりかねません。

現在、社内で活躍してくれているリーダーたちは25、26歳前後です。チームにはもちろん年上のメンバーもいます。若い社員にリーダーを任せることができるのは、彼らの役割を「仕事の管理」だとはっきり定義づけているからです。リーダーはチームの目標に対する作戦を立てて、進捗状況を管理するのが仕事です。メンバーが作戦と違う動きをしているとき、軌道修正を行う役割もリーダーが担います。

2週間に1回は新人と面談する理由

当社には「売り上げが伸びていればいい」という考え方はありません。売り上げを最大化できても、利益が減るような提案が社員から出てくることもありません。全社員に全体最適を考えてもらえるように、いくつもの工夫をしています。私が書籍を出版しているのもその工夫の一つです。おもに新入社員に向けて、当社の共通言語や考え方を習得してもらうために書いています。

新人教育の担当者はいますが、任せっぱなしにはしません。入社してしばらくの間は、2週間に1回程度、私が直接面談をしています。当社のようにそれほど規模が大きくない会社の場合、同じ職種の先輩よりも素養の高い新人が入社してくることも珍しくありません。新人が先輩の指導に疑問を持っているとき、私や役員がその事態を発見し、フォローできるようにしています。

同時に、面談の前には新人と関わっている先輩たちからも状況をヒアリングします。新人の自己評価が10段階で8だとしても、先輩から見れば2かもしれません。その場合は、期待されている仕事をまったく理解できていない可能性があります。本人からの発信を鵜呑みにしないことが肝心です。