親に子育てを任せるか、自分が朝3時に起きるか

日本の過去を振り返り、「女性活躍」の系譜を見てくると、大きく三段階に分けられます。

最初は「スーパーウーマン期」。スーパーウーマンとは、「チャック女子」なんて呼ばれていました。チャックを外して着ぐるみ(女性の外見)脱いだら男性だった、ってこと。男以上にバリバリでなきゃ、女が生き残れない時代でした。そうして、「名誉男子」(編注:南アフリカで有色人種隔離政策がとられていた時、日本人など一部のアジア人は名誉白人とされたことを模した)として生きる。子どもが生まれたら、親に近所へ引っ越してもらい、子どもの面倒を見てもらう。そうでなければ、自ら毎朝3時に起き、家事をやり遂げてから仕事に出かける。「極端な早朝シフト派」と呼ばれて、そんな本がたくさん出ていました。当時は全て働く女性の自己責任。「好きでその道を選んだんだから」というのが大原則でした。

続いて、平成も二桁になる頃から始まるのが、「ケア(両立支援制度)充実期」。制度や法律が充実して、女性活躍の萌芽が見られた時期。スーパーウーマンにはなれないけど、子育てと仕事の両立は目指したい、という女性が多くなってきた。会社は彼女らにマミートラックを用意しました。出産後復職した総合職女性には、難易度の低い仕事しか用意されず、できる女性ほど「今までの頑張りは何だったの?」と耐えられなくて、退職する人が後を絶ちませんでした。

そしてようやくフェアに働ける端緒に

そして今はようやく「ケア・プラス・フェア期」の端緒についた。短時間復職でも、公平にキャリアを積めて、家事育児の負担も性別関係なく、夫婦でともに請け負う。つまり「フェア(公平)」が広まり始めています。

働き方の選択肢が多様化するなか、それをどう選ぶかを男女共に考えようという動きが起こり、男性の育休取得も真剣に推進されるようになった。今は働き方改革と男女共同参画の両方が追求される時代にようやく進み始めたんじゃないかなと思います。