「GPIFをパクりましょう」とよく答える理由

【後藤】グローバル分散投資を行うために投資信託を利用するとおっしゃいましたけど、その中でもさまざまな投資先があると思うんですね。株の場合、S&P500もあればグローバル株もありますし、債券やコモディティ投資などいろいろあるじゃないですか。「分散」と言ってもちょっと難しいと感じてしまうビギナー投資家はどうすればいいんでしょうか。

【宇根】そんな方には「GPIFをパクりましょう」とよくお答えをしています。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、長期で老後の資産形成をする日本人向けにカスタマイズされていて、どういう分散をすれば実現できるかを考え抜いたアロケーションをしています。

基本的に日本株25%、外国株25%、外国債券25%、日本債券25%という均等な分け方になっています。その配分の仕方は多少政治的なところがあるとしても、いい分散になっていますし、過去のトラックレコードを見てみると年率で3~4%程度儲かっており、分散投資をしていれば世界経済の成長プラスアルファぐらいは儲かる、ということを実証してくれています。

【後藤】なるほど。

「4資産均等型」の投信で代用もできる

【宇根】このパクり方をするとして一番労力をかけない方法は、それこそアプリなどでグローバル分散を達成してくれるサービスを利用することだと思います。ややコストは高いですが、それだけでも構わないと思いますし、もう少し工夫できるのであれば、オンライン証券会社の口座を開き、今一番流行している全世界株式の投信を買って、残りを現金で持っておくことでもバランスが取れると思います。

すなわち40~50%ほどを現金で保持しつつ、残りの50%は各社から出ている外国株式のインデックス投資のファンドで運用する、というのがコストも安く王道かと思います。または株や債券にも「4資産均等型」といった投資信託がありますので、そちらを一本買うのもおすすめですね。ほぼ完全にGPIFをパクることができます。