支出の中にひそむラテ・マネー“を洗い出せ”「支出の傾向」を知ろう
さて、これであなたのお金は丸裸になりました。いかがですか? 思ったより家計は健全だったという人も、冷や汗をかいたという人もいると思います。でも、大事なのはここからです。ここで「見える化」した数値はすべて過去のものでしかありません。これからあなたは家計を健全にし、未来に向かって進むのです。
せっかく1カ月分の支出を洗い出したのですが、あなたの支出の傾向を確認しておきましょう。たとえばラテ・マネー。
ラテ・マネーとは、カフェラテ1杯程度の少額の出費のことをいいます。なんとなくカフェに入って飲むカフェ・ラテ。仕事の帰りにコンビニでパッと手にとるアイスクリームや缶チューハイ。休日に現金をおろしたATMの手数料。100円ショップで何げなくカゴに入れてしまう日用品。つきあいで行くランチ。ついついポチってしまうゲームの課金。
どれも一つひとつを見るとたいした額ではありません。でもそのお金は日々積み重なり、1カ月で見ると1~2万円になっている可能性があります。そうしたお金は貯蓄や新NISAなどの投資にも回せたはずです。
例えば、ある人のラテ・マネーは月額2万7290円、年額32万7360円でした。
気の進まない飲み会 5000円×月2回
時間つぶしのカフェ 380円×月6回
仕事帰りのコンビニ 500円×月10回
終電に乗り遅れたタクシー代 5000円×月1回
見直していない携帯料金のムダ 月4000円
今回のように家計の「見える化」を進めなければ、このような支出は埋もれてしまって見えてこないもの。この機会に、支出の中にラテ・マネーがどのくらい含まれているのかチェックしてみましょう。
小さなラテ・マネーにこそ家計改善のヒントがある
もし思った以上にラテ・マネーを使っていると気づいたら、「本当にこの支出は必要なのか」を考えるきっかけにしてほしいと思います。私は「ラテ・マネーはムダ。すべてやめたほうがいい」なんて考えてはいません。だって私たちは日々がんばって働いて、ささやかなごほうびを支えに生きているのです。全部やめてストレスがたまると、リバウンドのもとにもなりかねません。
たとえば「高級スイーツを買うのは月2回までにする」など自分なりに限度を設けて、それを楽しみにがんばるのはいかがでしょう。要は必要なものと不要なものを仕分けして、必要なものにお金を使い、不要だと思うものには使わないということ。それを考えることが、家計改善の基本なのです。