世界市場で低迷中のナイキ、アディダスに代わり台頭
国内ランニング市場に「第3の波」が来ている。
1980年代まではハリマヤ、アシックス、ミズノという国産メーカーが主流だったが、その後はナイキ、アディダス、ニューバランスなど海外の大手ブランドが本格参入。2017年以降はナイキの“シューズ革命”により、厚底モデルがレース用のスタンダードとなった。
大半のメーカーが厚底モデルを開発・投入したことで、国内ランニング市場はかつてないほどのレッドオーシャンになっている。ナイキ、アディダスは厚底のみならず、スニーカー市場でも世界的なヒットを連発してきたが、欧米では販売不振が鮮明との報道も出ている。
そんな中、“サードウェーブ”ともいうべき海外メーカーが新たなトレンドを生み出し、人気を得ている。牽引しているのがOn(オン)とHOKA(ホカ)だ。
雑誌『ランナーズ』を発行しているアールビーズの「ランナー世論調査2023」によると、現在履いているシューズメーカーTOP10(複数回答可)は、アシックス55%、ナイキ34%、アディダス21%、HOKA17%、ニューバランス14%、ミズノ13%、On8%、ワークマン3%、ブルックス3%、プーマ3%。OnとHOKAは昨年の時点でもかなりのユーザーがいたことになる。
さらに今年正月の箱根駅伝では両ブランドが“初出場”を果たした。
Onは3人、HOKAは2人の選手が箱根で着用していたのだ。他はナイキ98人、アシックス57人、アディダス42人、プーマ20人、ミズノ5人、ニューバランス・アンダーアーマー・ブルックスが1人。前回の7ブランドから今回は10ブランドとなったように、国内のランニング市場は“多様性”が顕著になっている。
そして箱根駅伝の“結果”が新たなムーブメントを生み出しそうだ。