中学受験のリアルを知る一番の方法は「入試問題を見ること」

現実の中学受験を知る一番の方法は、SNSなどの情報ではなく、実際の入試問題を見てみることだ。各学校の過去の入試問題は、何年間分かまとまったものが市販されているし、大手進学塾のホームページから無料でダウンロードもできる。

「中学受験なんて、数学じゃなくて算数だし簡単でしょ」と思っている親に多いのが、地方のトップ校出身で自分の努力によって難関大学に合格したというタイプの人。こういう人はたくさんの知識を暗記し、大量の演習をくり返し行うことで頭に叩き込むという受験勉強をしてきていることが多い。そんな人が今の中学受験の入試問題を見たら、きっと驚くだろう。「えっ? これって小学生が解く問題なの?」「どうやって答えを出すの???」と。

まずは今の時代の中学受験は、どのくらいの学力レベルが求められているかを知ってほしい。そのうえで、親である自分が子供の受験勉強を本当にサポートできるのだろうか、と冷静な目で判断してみてほしい。つまり、中学受験をするなら親の覚悟が必要だということだ。

勉強をする人
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「正しい勉強のやり方」を促すのが大事な役割

だが、むやみに恐れる必要はない。中学受験に親のサポートは不可欠だが、親が勉強そのものを教える必要はない。でも、正しい勉強のやり方を促すことはやってほしい。正しい勉強のやり方とは「なぜそうなのか」納得感を伴った理解をさせることだ。「塾の先生がこの公式は覚えろと言ったから覚える」「問題文に時計の話が出てきたら時計算で解けばいい」といった丸暗記や受験テクニックに走るのではなく、「今何が分かっている?」「何を聞かれている?」「あと何が分かれば解けそう?」など親が問いかけをしてあげることで、子供は自分なりに考えて解く力を付けていく。

また、発達の途中段階にいる小学生に常に高いモチベーションを持って、頑張らせるのは不可能だ。やる気を見せてくれるときもあれば、まったく動かないときもあるだろう。そんな凸凹な日々でも、なんとか子供が気持ちよく勉強に向かえるように、言葉がけを工夫する必要がある。