出勤前や会社帰りに気分転換参禅

早朝に行う坐禅を「暁天(ぎょうてん)坐禅」という。まだ夜が明けきらない早朝に行われる(季節によって実施時間が変わる)ので、寺の場所にもよるが、会社に行く前に坐禅会に参加することも可能だろう。1日の始まりに坐禅を行い、心を調えてから出勤すれば、仕事への集中力も高まるに違いない。

「暁天坐禅」と比べると少ないが、仕事帰りに参加できる、夜の坐禅会を実施しているところもある。飲み会に参加する代わりに坐禅会に参加すれば、仕事で疲れた体を調えることができる。ゆっくりと睡眠もとれて、翌日にストレスを持ち越すこともなくなるだろう。

朝や夜の坐禅会に参加が難しい場合は、家で実践するのもいい。座布団が1枚あれば、それを2つ折りにして座れば姿勢もよくなる。最初から独学では難しいので、休日に何回か坐禅会に参加すれば、基本的な作法を身につけられるだろう。

坐禅●大本山円覚寺(臨済宗・神奈川県鎌倉市)

――夏目漱石も参禅した寺で体験

建長寺とともに鎌倉の二大禅院として発展した大本山円覚寺の坐禅会には、かつて夏目漱石や島崎藤村も参禅したことが知られている。早朝に行われる「暁天坐禅会」は毎日開催される。時間は季節によって異なる。出勤前でも十分に参禅できる時間だが、遠くて平日の参禅が厳しければ休日に参加も可能。

坐禅●大本山南禅寺(臨済宗・京都府京都市)

――天皇家の離宮のあった景勝地

南禅寺は、1291年(正応4年)に亀山法皇の勅命により創建された、南禅寺派の大本山。もともと天皇家の離宮があった場所であるため、庭園がすばらしいのも魅力のひとつ。「暁天坐禅」は毎月第2・第4日曜日の6時から開催(11~3月は6時半から)。坐禅のほか、10分間の法話もある。費用は無料。

坐禅●東京禅センター龍雲寺(臨済宗・東京都世田谷区)

―――会社帰りに「夜の坐禅体験!」

日中の坐禅会に参加できない人のために新設された「夜の坐禅体験!」が人気。毎月1回程度18時半から、開催されている。参加費は500円。昼間の「坐禅体験!」は、毎月1回程度水曜日または土曜日に開催。15分程度×2回の坐禅を行ったあと、参会者とともに和合の茶礼を行う。

坐禅●大本山總持寺(曹洞宗・神奈川県横浜市)

――東京湾と房総半島を望む景勝地

曹洞宗には、2つの大きな大本山があるが、總持寺は、永平寺と並ぶそのひとつ。横浜市の郊外に位置し、JR鶴見駅より徒歩5分と、通勤前の坐禅会の便もいい。「暁天坐禅」は毎月1回程度開催されている。参加費は500円。ほかに毎月1回程度の月例坐禅会もある。13時から15時半ごろまで。参加費は500円。