腸と脳は直結している
ここで腸と脳の切っても切れない関係について説明しましょう。
「腸は第二の脳」といわれるように、実は、腸と脳は直結していたのです。
緊張したり極度なストレスがかかると、お腹が痛くなったり、下痢をしたりした経験はありませんか。
最近では過敏性腸症候群も増えていますが、これもストレスと深く関わっています。また、便秘になると気分が落ち込んだり、イライラしたりします。
先ほどセロトニンの話をしましたが、精神の安定に働くセロトニンがつくられている場所は、なんと脳が20%、腸が80%(脳が5%、腸が95%という最近の論文まであります)! 腸のほうが圧倒的にセロトニン生産量が多いのです。
「血液脳関門」は思ったよりもゆるい
一見、脳の問題といえる抑うつ症状を改善するためには、まず腸を整えることが先決だったのです。
これまで脳には「血液脳関門」というバリアがあり、脳を守るために、血液を通じて脳に悪いものが入らないようにしているとされてきました。
ですから、同じセロトニンでも、腸でつくられたものは脳に作用しないとされてきたのです。
ところが、最近ではどうもこの「血液脳関門」は思ったよりもゆるいのではないかという説が有力になってきました。つまり、腸で生産されるセロトニンも、脳で共有されているのではないかというのです。
脳と腸のセロトニンは別物だといっても、同じ一人の人間の体ですから、考えてみれば共有されてもおかしくはありません。