一方、市は当面、ふりかけ持参を認める予定だが、実際に持参する生徒は少数だという。

昨年末に実施したアンケートでは、ふりかけを「ほぼ毎日持ってきている」は7.2%にとどまり、「持ってきたことはない」は76.6%だった。

そして、ご飯の食べ残しの量も減っていない。

ふりかけ持参が許可される前、昨年度の2学期の残食率は18.8%だったのに対して、今年度の2学期は23.1%と、逆に増えてしまった。

「この数字をそのまま、生徒に伝えればいいと思うんです」

と黒田市議は言う。

「そうしたら生徒たちは『えっ』と思うだろうし、今度は先生や栄養教諭の知恵も貸してもらって次のステップを考える。それこそが食育です」

市の高木課長も、

「大人になるうえで、『食べる』とはどういうことか、子どもたちが考えるきっかけになってくれたらうれしい」

と語った。

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)

当記事は「AERA dot.」からの転載記事です。AERA dot.は『AERA』『週刊朝日』に掲載された話題を、分かりやすくまとめた記事をメインコンテンツにしています。元記事はこちら
【関連記事】
「ごはんにみそ汁、納豆、漬けものが体によい」は大間違い…日本人がもっと積極的に食べるべき"健康食材"
スウェーデンの「荒れた中学校」が激変した…「1日30分の運動」で子供たちがすっかり明るくなったワケ
「お菓子食べない?」と登下校中の児童を狙い…"見守りボランティア"の高齢者男性が自宅で行った卑劣な犯行
海外では「野菜から食べる」は推奨されていない…医師が解説「日本人が誤解しがちな"食事法のウソ"」
「1日2リットルを飲むべき」は呪いである…管理栄養士が「ペットボトルを身近に置かないで」と訴える理由