シミができる仕組みはまだ解明されていない

シミができる原因として、メラノサイトの何らかのシグナルトランスダクションがきて、メラニンというたんぱく質を生成して、それが真皮に落ち込んで恒久的なシミになってしまうのです。この何らかのシグナルが伝わってくるということがミソなんですね。これは、どのようなシグナルがメラノサイトに伝わって、メラニンという物質が生成されるのか。その最初のトリガーは、よくわかっていません。

ただシミの外的な要因としては、UVBがトリガーになるということは明らかになっています。まずは、紫外線による外的刺激を徹底的にカットすることです。それと、物理的な刺激をカットすることが大事で、繰り返しお伝えしますが主にクレンジングでゴシゴシ顔を洗う、カッサでゴリゴリ顔をこするのはシミを作る一番の原因です。

現状は、紫外線の対策と肌の摩擦に気をつけることが、究極の方法となっています。

④朝洗顔で洗顔料を使って洗う

朝洗顔時に「洗顔料を使ってはダメ」です。それは、肌のバリア機能を壊す恐れがあるからです。そもそも朝洗顔をしていいのか、という意見も多くいただきます。

これはどちらかといえば「したほうがいい」と思います。これは夜につけたスキンケア商品を洗い流さないといけない、とか残ってしまった化粧品を洗い流さなければいけないという話ではありません。

顔を洗う女性
写真=iStock.com/K-Angle
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朝の洗顔はぬるま湯か水で行う

どちらかというと清潔感の問題からです。目ヤニがついていたり、口元によだれを垂らしてしまっていたり、顔に埃がついていたりするので、そのための方法として、朝に洗顔をしたほうが肌も問題を起こしにくいのではないかと思います。

スキンケア商品を洗い流さないと不安かもしれませんが、もし化粧が残っていても、洗顔料は使わないほうがいいと思います。1日そこそこ化粧が残っていても肌に悪さは起こさないですし、酸化した化粧品を洗い流すという意味では、特に洗い流す必要もないです。

表皮は28日程度で完全に入れ替わります。百歩譲って酸化して有害物質になったとしても、それが肌に違和感がないのであれば問題なく、2、3日で垢として勝手に落ちていきます。

洗顔のやり方に関しては、脂っぽい肌であればぬるま湯で、乾燥肌であれば水でパシャパシャと軽く行いましょう。ゴシゴシとせずに、水だけで優しく行いましょう。タオルで顔を拭くときも優しく押し付けるようにして摩擦しないように水を拭いてください。

これまで洗顔料でやっていた方は、切り替えると気持ち悪いと思うかもしれませんが、慣れの問題だと思います。肌トラブルのある方を診察した時に、「洗顔やめてみて」「ボディソープをやめてみて」、と言うとかなりの方が改善していきました。肌トラブルを起こす方は界面活性剤を使いすぎているところがあるのではと感じています。