だから法隆寺も1400年間現存している

床断熱をしたうえで基礎の立ち上がりの外周部も断熱する工法のため、基礎から床までの空間も一定温度に保たれます。

湿度の高い夏場は、床下の通気量が多くなるため湿気がこもりません。その環境ではシロアリの発生もなし。1万戸以上が建てられてきましたが、1戸たりともシロアリは見つかっていません。メンテナンスをしやすいという特性もあります。ただし、高い施工レベルが必要であることも忘れないでください。

実は耐震性、断熱性、耐久性はセットで考えなければなりません。それぞれが必要とする建材の組み合わせと施工方法がとても重要になるからです。

また木造の耐久性が低いとはいいきれません。法隆寺は1400年保っていますからね。重要なのは構造と施工方法。一方でローコストでつくった木造住宅はデメリットが如実に現れます。繰り返しになりますが、高性能住宅に限ってデメリットが解消され、さまざまなメリットの恩恵を受けられるのです。

法隆寺
法隆寺(写真=z tanuki/CC-BY-3.0/Wikimedia Commons

補足になりますが、RC構造も漏水対策をしていないと鉄筋がびて耐久性が落ちる側面もあります。どの構造においても適切な手を打っておかなければ長持ちする保証はないわけです。

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