いじめを受けた子どもにかける言葉
「実は、私、学校でいじめにあっているの……」
子どもからこんな告白を受けたときには、子どものつらさに寄り添いながら、大事な話をしてくれたことをねぎらってほしいのです。
「つらかったね……。よく頑張ってきたね。話してくれてありがとう」
それだけ言って、あとは子どもの語る言葉に静かに耳を傾けましょう。なかには語りながら泣き出してしまう子もいるかもしれません。そのときには、「思いきり泣いてもいいんだよ。お母さん(お父さん)も一緒に泣きたいくらいだよ」と、とことん子どもの気持ちに寄り添ってあげてください。
人間は、つらいときにはつらいと打ち明けて、悲しいときには十分に悲しむことが大切です。子どもがつらいときには、親子でそのつらさを分かちあいましょう。「弱音を吐いてもいいんだよ」と伝えた上で、「お母さん(お父さん)は、絶対にあなたの味方だからね。あなたは悪くないんだから。いじめは、いじめをしたほうが悪いんだよ」
そうきっぱり言いきって、子どものこころを守ることに全力を注ぎましょう。
「攻撃に攻撃で返す」会話
言葉一つで、相手をいたわることも救うこともできるものです。その半面、言葉は武器にもなります。
言い方を間違えることで、人間関係をねじれさせてしまい、その「ねじれた関係」が固定化されてしまうこともあります。典型的なケースは「攻撃に攻撃で返す」例です。
次のケースは、塾の宿題を隠していた中学生の息子と、それに腹を立てた母親との会話の例です。
ケース4
母「なんで、そんなことするのよ。バカじゃないのまったく!」
子「……バカはお前だろ」
母「あんたなんか産むんじゃなかった……」
子「オレのほうこそ、あんたの子どもになんか、なりたくなかったよ。クソババア!」
母「なによこのクソガキ。だったら出て行きなさい!」
母「なんで、そんなことするのよ。バカじゃないのまったく!」
子「……バカはお前だろ」
母「あんたなんか産むんじゃなかった……」
子「オレのほうこそ、あんたの子どもになんか、なりたくなかったよ。クソババア!」
母「なによこのクソガキ。だったら出て行きなさい!」
このように、「攻撃に攻撃で返す」というのは、親子関係や夫婦関係でやってしまいがちなNGパターンです。